2018年11月24日土曜日

【産経抄】2018-11-24

【産経抄】2018-11-24


 十人十色というが、それぞれの立ち位置が表れていて興味深い。韓国政府が慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づき設立された財団の解散を発表したことについて、在京各紙は22日付の社説で一斉に取り上げていた。それが、見事に論調が異なるのである。

 ▼「財団の一方的な解散は背信行為に等しい」。小紙の「主張」はこう断じたが、読売新聞も手厳しい。「国際常識からかけ離れた韓国の措置は到底容認できない」。日経新聞も「首脳間で確認した取り決めをないがしろにする決定で失望を禁じ得ない」と言い切った。

 ▼ところが、毎日新聞はとみると「極めて残念だ」と遠慮がちで、朝日新聞に至ってはこんなふうに直截(ちょくせつ)の批判を避けていた。「賢慮に欠けると言うほかない」。それどころか、「現実に照らしてやむを得ない措置ということかもしれない」と一定の理解すら示している。

 ▼さすがは慰安婦問題に火をつけ、韓国側と一緒になって日本糾弾を展開してきた朝日らしいなと読み進めると、社説は唐突に日本政府を戒めていた。「不都合な歴史に背を向けてはならない」。韓国による理不尽な財団解散が主題であっても、日本の非を鳴らさずにはいられないようである。

 ▼この一文から、朝日の過去記事を連想した。韓国で女性狩りをし、慰安婦にしたという吉田清治氏の証言を執拗(しつよう)に取り上げた朝日は、読者から疑問が寄せられるとこう反論していた。「知りたくない、信じたくないことがある。だが、その思いと格闘しないことには、歴史は残せない」。

 ▼吉田証言が真っ赤な嘘だと判明し、朝日が関連記事を取り消したのは周知の話である。だが、その後も朝日の上から目線と、とにかく日本が悪いと言いたがる癖は変わらない。