2018年9月30日日曜日

【産経抄】2018-09-30(日)

【産経抄】2018-09-30(日)


 神奈川県のある市役所で係長を「チーフ」と呼ぶことになった。20年ほど前である。世評はあまり芳しくなかった。「いつからレストランになったんだ」。 非難が殺到したとの挿話を、井上ひさしさんが『にほん語観察ノート』に書き留めている。

 ▼今思えば、さほどに騒ぐことでもない。コンビニエンスストアよりコンビニが耳になじみ、アニメーションを縮めたアニメは「日本製の動画」を指す言葉と して、英語の辞書にも載っている。「日本語は胃袋が強い」と書いたのは、英文学者の柳瀬尚紀さんだった。


 ▼右手に箸、左手にフォークのおおらかさは日本語の美質として、世界から千客万来の東京五輪が近いせいか、お役所の外来語だのみには見境がない。訪日外 国人旅行を指す「インバウンド」や共同事業体を表す「コンソーシアム」に、かゆみを覚えた人は多かろう。

 ▼官公庁が使うカタカナ語に、「分からない」と答えた人が5割を超えた。国語に関する世論調査の結果である。意見公募で済むものを、「パブリックコメン ト」に言い換える手間は惜しまないらしい。略語の「パブコメ」を訳知り顔で使う鼻持ちならぬ官僚も多い。

 ▼徳川夢声は終戦直後の日記に書いた。「床の間が無くても生きては行けよう、だがそれでは吾々(われわれ)が考えている日本人の生活ではない」。日本人 のアイデンティティー(同一性)と書かれるより腹に落ちる。日本語を端的に使いこなす方が、社会も滑らかに回ろうに。

 ▼いかに時代が流れても、ろくな身体検査もせずに舶来の言葉を受け入れるのは考えものである。何が必要で何が不要か。消化薬を飲みカタカナ語を整理する 時期だろう。日本語の胃袋は強くても、このままではこちらの記憶の引き出しがもたない。











2018年9月29日土曜日

【産経抄】2018-09-29

【産経抄】2018-09-29


 何度か聞いたようなセリフだと感じた。トランプ米大統領が26日の日米首脳会談で、安倍晋三首相に語ったこの言葉のことである。「シンゾーとの友情があ るから自動車に関税をかけられなかった」。リップサービスの部分もあるかもしれないが、自動車関税の発動は当面、回避できた。

 ▼「私に任せてもらいたい。アベを困らせることはしない」。2007年4月、安倍首相に対し、こう胸を張ったのはブッシュ大統領だった。当時、米国では 北朝鮮へのテロ支援国家指定解除が検討されていたが、解除しない考えを明らかにした。


 ▼この時、首脳会談に同席したライス国務長官は解除に前向きで「米国内法に照らせば、拉致問題解決は指定解除の条件にならない」と発言していた。だが、 ブッシュ氏は安倍首相に明言した。「ライスがいろいろと説明したが、君と私が決めればいい」。

 ▼ところが、同年9月に病を得て安倍首相が退陣すると米国は指定解除へと舵(かじ)を切り、ブッシュ氏は翌08年10月、あっさりと解除してしまう。米 国が17年11月に再指定し、経済援助の禁止や金融制裁などの措置を取るまでの9年余、北朝鮮は伸び伸びと核・ミサイル開発を進めた。

 ▼トランプ氏は同月の日米首脳会談でも述べている。「シンゾーだから日米関係はいいんだ。シンゾーだから私は日本のためにやる」。先の自民党総裁選で は、石破茂元幹事長が盛んに「友情と国益は別だ」と強調していたが、首脳同士の強い信頼関係によって確保できる国益もあろう。

 ▼友情を育むかはともかく、安倍首相はいつか北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と向き合わなければならない。数々の首脳外交で発揮し てきた交渉力と人間力で、拉致被害者を取り戻してほしい。











2018年9月28日金曜日

【産経抄】2018-09-28

【産経抄】2018-09-28


 2012年のロンドン五輪・パラリンピックには、70カ国・地域から約7万人のボランティアが参加した。日本からの約100人も含まれている。ロンドン 在住の経営コンサルタント、西川千春さんもその一人だった。

 ▼女子卓球の団体戦で日本代表が決勝進出を決め初メダル獲得が確定した瞬間に、通訳として立ち会った。号泣する日本選手を前に、思わずもらい泣きしたそ うだ(『東京オリンピックのボランティアになりたい人が読む本』イカロス出版)。


 ▼2年後の東京大会を支えるボランティアの募集が始まった。組織委員会と東京都は、計11万人の確保をめざしている。世界中から訪れる選手、観客に対し て、日本ならではの「おもてなし」精神を発揮する絶好の機会である。国籍や肌の色、世代を超えた人たちとの出会いは、その後の人生の大きな糧になるのでは ないか。

 ▼もっとも、真夏の炎天下でタダ働きさせられる「やりがい搾取」との批判もある。1日8時間、10日以上の活動が求められるのは、就職活動中の大学生や 社会人にとって、かなりハードルが高い。ロンドン大会のボランティアに24万人以上の応募があったのは、有給休暇が取りやすく、就活や勤務先で確実にプラ スの評価が得られるからだ。

 ▼英国首相からは、ボランティア一人一人に感謝の手紙が届いた。ロンドン中心部で行われた英国選手団の祝勝パレードに合流して、選手とともに人々の祝福 と声援を受けられる「特典」もあった。

 ▼ロンドン大会で「人生最高の2週間」を体験できたという西川さんは、14年のソチ大会、16年のリオデジャネイロ大会にも駆けつけた。東京大会でボラ ンティアを終えた人たちが同じ感想を持てるかどうかで、大会の成否が決まる。











2018年9月27日木曜日

【産経抄】2018-09-27

【産経抄】2018-09-27


 昭和の角界を揺るがした騒動の一つに春秋園事件がある。昭和7年、関脇天竜ら32人の力士が、相撲協会の改革を訴えて、東京・大井の中華料理店「春秋 園」に立てこもった。やがて協会を脱退して、別の団体を結成する。

 ▼後に前人未到の69連勝を成し遂げ、不世出の大横綱となる双葉山は、当時十両になったばかりの若者である。恩人の夫人はこう諭した。「本当に改革すべ きことがあるのであれば、内部にいてそれをやるべきだ」。「まったくそうだ」と騒ぎから距離をおいていた。


 ▼平成の大横綱、貴乃花親方(46)は、双葉山を深く尊敬してきた。協会の改革を訴える、親方の言動の根本には、双葉山が説いた相撲道があった。ただ残 念ながら双葉山と違い、適切な助言者に恵まれなかった。あるいは、いたとしても聞く耳もたなかったのか。25日、協会に引退届を提出し、角界から去る決断 を示した。

 ▼弟子の傷害事件に端を発したこれまでの騒動は何だったのだろう。親方は退職の理由について、協会からのパワハラまがいの圧力を挙げる。一方の協会は、 親方の主張を真っ向から否定した。両者はまったく歩み寄ることがなく、残ったのは後味の悪い結末だけである。

 ▼引退後の双葉山は、自ら騒動の主人公になったことがある。敗戦のショックから、新興宗教にのめり込み、取り締まりの警察官相手に大立ち回りを演じた。 もっともそれが、角界との縁の切れ目とはならなかった。「学問のない悲しさです」。謙虚に反省した双葉山は、やがて時津風理事長として、大相撲の近代化と 民主化を断行する。


 ▼終わったことは水に流して、力を合わせて発展に尽くす。相撲は本来、もっと融通無碍(ゆうずうむげ)でおおらかな世界ではなかったか。











2018年9月26日水曜日

2018-09-26 aomori「市からのお知らせ」第409号◆田代高原きのこ祭り◆

9月27日(木)~30日(日)まで、青森競輪場で「みちのく記念競輪」を開催。大人気キャラクターショー、ご当地アイドルや三味線のミニライブなど、家族で楽しめるイベントがたくさん! 詳しくは、青森競輪場のホームページ(http://www.aomorikeirin.com/michinoku/ivent.html)をご覧ください。

☆★イベント情報★☆

◆田代高原きのこ祭り◆
 秋の行楽は、おいしいきのこ汁を食べに自然あふれる田代高原へお出かけしてみてはいかがでしょうか。青森県きのこ会の鑑定員によるきのこ無料鑑定会も行います。
〔日時〕9月30日(日)10:30~14:00
〔場所〕田代高原・銅像茶屋
〔費用〕きのこ汁とおにぎり2個付きセット(600円)
〔問合せ〕東八甲田観光開発協議会(田代高原茶屋、TEL 017-738-9485)

☆★お知らせ★☆

◆テレビ15分特集番組「つかめ! 未来へのCHANCE! ~新ビジネスを応援します~」◆
 新たなビジネスへ挑戦するかたを応援する「地域企業新ビジネス挑戦支援プロジェクト」を活用し、本市を拠点に夢の実現に向けて頑張る皆さんをご紹介します。ぜひご覧ください。
〔日時〕9月29日(土)11:30(ATV青森テレビで放送)
〔問合せ〕広報広聴課(電話 017-734-5106)



○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/
○携帯サイト「青森市mini」
http://www.city.aomori.aomori.jp/keitai-mini.htm









2018-09-26 (公社)弘前観光コンベンション協会

*弘前市内イベント情報のお知らせ*

○9/27(木)新潟市「ブラニイガタ」を探れ!:弘前市立観光館 
 http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=tsugaru_machiaruki

○9/29(土)The津軽三味線:弘前市民会館
 http://www.hcci.or.jp/txt/samisen/

○9/29(土)古代史シンポジウム:ヒロロ4F市民文化交流館ホール
 http://www.city.hirosaki.aomori.jp/oshirase/jouhou/kodaishisymposium.html

○9/30(日)『EKIDEKI』弘前「ご当地オリジナル曲」コンテスト:JR弘前駅
 http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=ekideki

○9/30(日)ドッグフェス:岩木青少年スポーツセンター
 https://dogfes-iwaki.com/











【産経抄】2018-09-26

【産経抄】2018-09-26


 風疹が大流行した平成25年には、1万4千人を超える患者が報告された。米国などから渡航注意が出されるほどだった。風疹で何より懸念されるのは、妊婦 への感染である。難聴や白内障などの症状が出る「先天性風疹症候群」(CRS)の赤ちゃんが生まれる可能性があるからだ。45人の赤ちゃんが確認された。

 ▼当時のコラムで、難聴の大リーガーを紹介している。松井秀喜さんと同時期に、ヤンキースで活躍したカーティス・プライド外野手である。1968年生ま れのプライド選手は、母親のおなかにいる間に風疹ウイルスに感染していた。


 ▼米国ではその翌年に、風疹ワクチンが導入された。全幼児への接種を続けた結果、現在ではCRSはゼロに近い。日本では、昭和52(1977)年にワク チン接種が始まった。とはいえ、当初は女子中学生だけが対象だったために、30~50代の男性のなかには、免疫を持っていない人が少なくない。

 ▼ウイルスが働き盛りのこの世代を狙い撃ちにして、大流行を引き起こしたとみられる。ウイルス学者の加藤茂孝さんによれば、逆に風疹排除のチャンスだっ た。成人への一斉接種が実現すれば、目的が達せられたという(『続・人類と感染症の歴史』丸善出版)。

 ▼残念ながら、チャンスを生かせなかった。今年もまた流行の兆しをみせている。患者は前回と同じ世代に集中している。一斉接種に必要な、巨額の経費が壁 になったようだ。2年前のリオデジャネイロ五輪では、南米で感染が拡大していたジカ熱への不安を理由に、出場を辞退する選手が出た。東京五輪を控えて、風 疹封じ込めは急務である。

 ▼5年前のコラムと同じ言葉を繰り返す。男女を問わずワクチンを受けて、妊婦を守ろう。











2018年9月25日火曜日

【産経抄】2018-09-25

【産経抄】2018-09-25


 楊貴妃といえば、クレオパトラ、小野小町と並び「世界の三大美女」と称される。「天生の麗質は自(おのずか)ら棄(す)つるに難(かた)く」「眸(ひと み)を回(めぐ)らせて一(ひと)たび笑(え)めば百媚(ひゃくび)生じ」。

 ▼天が生み出した麗しい容姿は、人が放っておかない。振り返ってほほえむだけで、色気が満ちあふれる。玄宗皇帝との悲恋を描いた長編叙事詩『長恨歌 (ちょうごんか)』で、中国の詩人、白居易はその美しさをこうたたえた。

 ▼その楊貴妃を映画で演じたのが、中国の人気女優、范氷氷(ファン・ビンビン)さん(37)である。ハリウッド作品や日本企業のCMにも出演し、中国の 対外イメージの向上に貢献してきた。米経済誌が2015年に発表した世界高収入女優ランキングで4位になるなど、富豪としても知られる。

 ▼ところが、5月末にインターネット上に范さんの脱税疑惑を告発する投稿があり、まもなく公の場から姿を消した。「当局に拘束された」との臆測も広がっ ている。中国社会は格差が拡大するばかりで、一部芸能人の巨額な報酬や脱税疑惑に批判の声が高まっていた。確かに、贅沢(ぜいたく)な暮らしぶりをSNS を通じて発信してきた范さんは、格好の標的となりうる。当局が富裕層への課税強化の姿勢を示すことで、庶民の不満を鎮める効果が期待できる。

 ▼玄宗皇帝は楊貴妃を寵愛(ちょうあい)するあまり楊氏の専横を許し、国の乱れにつながった。楊貴妃のように国難を招くほどの美女を「傾国」と呼ぶ。 「拘束説」が正しいとすれば、当局は范さんを傾国と断じたことになる。

 ▼楊貴妃は実は、日本に渡ったとの伝説が残っている。范さんには「海外逃亡説」もあるが、可能性は薄い。いずれにせよ21世紀にもなって、国際的女優が 3カ月以上も失踪するなんて、異様という言葉しか浮かんでこない。











2018年9月24日月曜日

【産経抄】2018-09-24

【産経抄】2018-09-24


 道徳が正式教科となり小学校で本格実施され半年が過ぎようとしている。書店のコーナーには相変わらず「親の敵(かたき)」のように教科化を批判する本が 並ぶ。文部科学省の官僚OBの近著もあり怖々(こわごわ)、手に取ってみた。

 ▼寺脇研元文化庁文化部長は『危ない「道徳教科書」』(宝島社)で、監督のバントの指示に従わず強打した「星野君の二塁打」という教材を例に、犠牲を強 いるなど価値観の押しつけを危惧する。

 ▼前川喜平元次官は『面従腹背(めんじゅうふくはい)』(毎日新聞出版)で、教育への政治介入に「面従」しつつ、考え議論するなど「教育の本質」を失う まいと「腹背」してきた苦労を語る。両氏とも道徳教育は重要だと知った上で安倍晋三政権の「押しつけ教育」を憂えているようだ。


 ▼その前にルールを守る大切さを子供たちにしっかり説いてほしいと小欄は願う。天下り斡旋(あっせん)問題の前川氏に続き、高額接待で辞任した戸谷一夫 前次官は「道徳などを所管しながら国民の信頼を失墜させた」と謝罪したが、遅かった。

 ▼連休に書店を見て回ると、マサチューセッツ工科大のシェリー・タークル教授の『つながっているのに孤独』(ダイヤモンド社)というインターネット社会 の課題を象徴的に示す話題作もあった。ネット上では似た考え方の人が集まり、違う意見や文化に触れる機会がかえって少ない。教育界でも、専門家が懸念して いることだ。

 ▼そこで独善に陥らぬ「心棒」が頼りになる。斎藤孝明治大教授の『大人の道徳』(扶桑社新書)は、時を超えた英知はビジネスの場など社会で一層求められ ている、と指摘している。秋のお彼岸で、先人が築いてきた歴史を思い、心棒となる普遍的価値を学ぶべき大人は、自らを含め多そうだ。











2018年9月22日土曜日

【産経抄】2018-09-22

【産経抄】2018-09-22


 職業柄、違和感を覚える言葉遣いを見ると、すぐに辞書を引く。安倍晋三首相が、石破茂元幹事長に勝利した自民党総裁選に関してもそうだった。553票対 254票と、安倍首相に約300票差をつけられた石破氏について、マスコミ報道では「善戦」という表現が強調されていた。

 ▼広辞苑によると、善戦とは「実力を出し尽くしてよく戦うこと。多く敗者の戦いぶりにいう」とある。確かによく戦ったとはいえようが、「国会議員票、党 員票とも善戦」(21日付毎日新聞朝刊)とまで書くのはどうか。国会議員票の8割強が安倍首相に回ったのに無理があろう。


 ▼かと思うと、読売新聞は「安倍首相の圧勝で終わった」と記し、石破氏に関しては「健闘」の表記で統一していた。健闘は、同じく広辞苑では「よくがん ばってたたかうこと。屈せずに努力すること」の意とされる。

 ▼善戦と健闘の区別は、浅学非才な小欄にはよく分からない。ただ、肝心の党員票にしても疑問は残る。前回平成24年の総裁選では、5人が立候補した中で 石破氏は党員票の55%を獲得し、安倍首相は29%にとどまっていた。それが今回は一騎打ちで安倍首相55%、石破氏45%と逆転しているのである。

 ▼現職首相の強みはあるにしろ、党員票を大きく伸ばしたのは安倍首相であり、石破氏は獲得率を減らしたというのが客観的な数字である。永田町界隈(かい わい)の事前予想を上回ったら善戦だというのであれば、何とハードルが低い話か。

 ▼21日付朝日新聞朝刊は1面で「『圧勝』できず政権運営に影」、2面で「首相 崩れた『圧勝』」と見出しを付けていた。だが、安倍首相は全体で7割弱 の票を確保したのだから、読売のように圧勝だと認める方が素直な見方だろう。











2018年9月21日金曜日

2018-09-21 弘前観光コンベンション協会

*弘前市内イベント情報のお知らせ*

○~10/8(月祝)「ふらいんぐうぃっち」複製原画展:まちなか情報センター
 http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/new_details.html?id=CNT00108271301411035

○9/22(土)~23(日)「ひろさきりんご収穫祭」:弘前市りんご公園
 http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=cat02_autumn_apple

○9/22(土)~23(日)「秋の名月会」:藤田記念庭園
 http://blog.livedoor.jp/fteien/archives/52222606.html

○9/22(土)~12/2(日)企画展「こども博物館」:弘前市立博物館
 http://www.city.hirosaki.aomori.jp/hakubutsukan/

○9/23(月祝)弘前駅オープンデッキイベント「EKIDEKI」:JR弘前駅
 http://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/edit.html?id=ekideki







【産経抄】2018-09-21

【産経抄】2018-09-21


 昭和47年の自民党総裁選は、佐藤栄作首相の後継の座をめぐって、田中角栄氏と福田赳夫氏の間で争われた。いわゆる「角福戦争」が始まり、多額の現金が 飛び交ったとされる。

 ▼中間派の若手政治家が地元の選挙区から羽田に飛行機で帰ると、待っていた田中氏から、いきなり300万円を渡された。すでに福田氏に票を入れると約束 していたので、「受け取れない」と断った。

 ▼田中氏は気にも留めなかった。「いいんだいいんだ。次の機会にオレに入れてくれればいい。福田に入れてもいいから」。読売新聞の政治記者を長く務めた 老川祥一さんの『政治家の胸中』(藤原書店)にあるエピソードである。


 ▼自民党総裁選の投開票が昨日行われ、安倍晋三首相(63)が連続3選を果たした。残念ながら、石破茂・元幹事長(61)との間で実のある政策論争が交 わされたとは言い難い。首相支持派の議員から、石破氏を支持するなら辞表を書けと言われた。斎藤健農水相のこの発言が、議論の迷走を招いた一つの要因であ る。

 ▼石破氏側が、首相側のパワハラだと批判を強めれば、安倍氏は角福戦争を引き合いに出して、「昔はもっと激しい言葉があった」と反発する。権力闘争の激 しさは今も昔も変わらない。ただ、渦中の政治家の度量がどんどん小さくなっている。それが気にかかる。

 ▼「天の声には時には変な声もある」。昭和53年の総裁選の予備選でまさかの敗戦を喫した福田氏は、有名な言葉を残した。老川さんは、福田氏のいさぎよ さを示すもう一つの名言を紹介している。「総理でなくても仕事はできる」。憲法改正の必要性、昨今の国際情勢に対する危機感、石破氏は安倍氏と、いずれも 共有しているはずだ。しっかり仕事をしてほしい。











2018年9月20日木曜日

【産経抄】2018-09-20

【産経抄】2018-09-20


 米オレゴン州に住む主婦は、ハロウィーンのプレゼントとして買った中国製の飾り物の中から、手紙を見つける。差出人は、遼寧省・馬三家の労働教養所に収 容されている孫毅さんだった。

 ▼19日未明にNHKBSで放映された「馬三家からの手紙」は、衝撃的な内容だった。カナダ人監督によるドキュメンタリーである。孫さんは、中国政府が 弾圧する気功集団「法輪功」のメンバーだった。労働教養所では、毎日15時間以上も輸出用の商品作りを強いられていた。


 ▼拷問も頻繁に行われる。主婦が労働教養所の過酷な実態を暴露した手紙をメディアに公開すると、全米を揺るがすニュースとなる。出所後、インドネシアに 逃れた孫さんは、主婦と感動の対面を果たす。それからまもなく、謎の死を遂げた。

 ▼トランプ米政権は、中国に対する制裁措置の第3弾を24日にも発動する。2千億ドル(約22兆円)相当の輸入品に追加関税を課すというものだ。これに 対する報復措置として中国政府は、600億ドル相当への追加関税を発表した。中国の輸出品の一部は、労働教養所や刑務所での「奴隷労働」によって生み出さ れている。トランプ大統領が中国を目の敵にするのは、残念ながらそれが理由ではない。

 ▼中国新疆ウイグル自治区では、罪のない多数のイスラム教徒が、再教育施設「教育・転化センター」に収容されている。無数の監視カメラによる通行人の チェックも怠りはない。小紙記者は先日、不審な車に追い回されながらも、「中国化」が進むウイグルの現状を取材していた。











2018年9月19日水曜日

2018-09-19 aomori「市からのお知らせ」第408号◆あおもり10市(とし)大祭典in AOMORI◆

9月23日(日)は、三内・月見野・八甲田の各霊園に臨時バスを運行しますので、秋彼岸へお出かけの際にご利用ください。詳細は、市営バスホームページ(https://www.city.aomori.aomori.jp/koutsu/top.html)をご覧ください。

☆★イベント情報★☆

◆あおもり10市(とし)大祭典in AOMORI◆
 県内10市のお祭りパレード、食、物産、ご当地キャラが青森市に大集合! さらに、停泊中の「ナッチャンWorld」では、人気のクラフト展「A-line」も特別開催しますので、ぜひお越しください。
〔日時〕9月22日(土)10:00~19:30、23日(日)10:00~16:00
〔場所〕青森港新中央ふ頭、青い海公園、柳町通り、新町通り、アスパム通り
〔備考〕イベントの詳細は、公式ホームページ(aomori10shi.jp/)をご覧ください。
〔問合せ〕観光課(電話 017-734-5179)

◆雲谷高原コスモスまつり◆
 高原一面に咲き誇るコスモスが見頃を迎えるモヤヒルズで、恒例のコスモスアートやコスモス迷路などをお楽しみください。22・23日は花苗、24日はコスモスの種の先着プレゼントも!
〔日時〕9月22日(土)~24日(月)10:00~16:00
〔場所〕モヤヒルズ
〔内容〕クラフト体験、ご当地グルメ出店、動物・フクロウふれあいコーナー、フリーマーケット(22・23日)よさこいソーラン(24日)など。
〔問合せ〕モヤヒルズ(電話 017-764-1110)



○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/
○携帯サイト「青森市mini」
http://www.city.aomori.aomori.jp/keitai-mini.htm








【産経抄】2018-09-19

【産経抄】2018-09-19


 腐った肉のようなにおいがしたそうだ。オーストラリアの内科医、バリー・マーシャルさんは1984年、ピロリ菌を含んだ溶液を、ウイスキーをあおるよう に飲み干した。すると5日目から吐き気を催し、胃粘膜に炎症が起きていた。

 ▼それまで胃炎は、ストレスが原因とされてきた。自分の胃を使って、ピロリ菌との因果関係を確かめた実験は、医学の歴史を変えたといっていい。マーシャ ルさんは、ピロリ菌を発見したロビン・ウォーレンさんとともに2005年、ノーベル医学・生理学賞を受賞した。その後の研究で、ピロリ菌と胃がんとの関係 も明らかになっている。


 ▼日本人の胃がんによる死者数が減っている、と昨日の生活面の記事が伝えていた。ピロリ菌の除菌治療が保険適用となり、普及したのが一因とみられる。胃 がんとは逆に右肩上がりで増え続け、患者の数で部位別のトップになったのが大腸がんである。

 ▼長野県駒ケ根市の病院医師、堀内朗(あきら)さん(57)は、大腸がんをなくすために日夜奮闘している。自分の肛門に内視鏡を入れる実験を繰り返し、 座った姿勢で検査を受けた方が苦痛が少ないことを発見した。

 ▼マーシャルさんと同じく、自分の体を張った実験の成果は、今年のイグ・ノーベル賞を受賞した。ユーモアにあふれ、しかも独創的な研究を対象にした賞で ある。米ハーバード大で先週開かれた授賞式で、堀内さんは仕草(しぐさ)で実験を再現して、会場を大いに沸かせたという。

 ▼内視鏡検査で見つかったポリープを切除すれば、大腸がんの発症は大幅に減らせる。ただ患者の多くは座位の検査を恥ずかしがって、実用化には至っていな い。個人的には、横に寝た状態で行う現在のやり方より、ハードルは低いように思うが。











2018年9月18日火曜日

【産経抄】2018-09-18

【産経抄】2018-09-18


 40年以上も別居していたロックミュージシャンの夫、内田裕也さんと、なぜ別れないのか。女優の樹木希林さんは、これまで何度も聞かれた。樹木さんは若 い頃から、仏典に親しんできた。

 ▼不登校の情報紙、「不登校新聞」のインタビューで、いきなりお釈迦(しゃか)様の話を始めている。ダイバダッタという、師に背き命まで狙う弟子がい た。困り果てたお釈迦様は、ある日気づく。「ダイバダッタは、自分が悟りを得るために難を与えてくれる存在なんだ」。


 ▼樹木さんにとって内田さんは、そんな「有難(ありがた)い」存在だった。左目の失明や全身に転移したがんもまた、自分を成熟に導いてくれる難ととらえ た。樹木さん自身も、かつてはダイバダッタだった。文学座時代は、大先輩の名優、杉村春子さんに盾突いた。盟友だったテレビプロデューサーと出演女優の不 倫を暴露して、大騒動に発展したこともある。

 ▼75年の人生は波瀾(はらん)万丈だった。晩年の映画での名演技は、国際的にも高い評価を受けた。小欄の記憶には、ドラマ「寺内貫太郎一家」の「き ん」おばあさんや、富士写真フイルムのCMが強烈に残っている。

 ▼部屋に張った沢田研二さんのポスターの前で、「ジュリィーッ」と身もだえする。CMでは、「そうでない方はそれなりに写ります」の名コピーがあった。 いずれも台本にはなく、樹木さんのアイデアだったと知って驚いた。

 ▼冒頭のインタビューは、『学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)に収録されている。もう一つ、樹木さんが子供たちに残した、とっておきの言葉を紹介し たい。「お釈迦さんがね『人間として生まれることはきわめて稀(まれ)なことだ』と言ってるの。だったらね、生き続けなきゃ、もったいないじゃない」











2018年9月17日月曜日

【産経抄】2018-09-17

【産経抄】2018-09-17


 平安末期に成立したとみられる説話集『今昔物語集』に、キノコを使った毒殺未遂の話がある。吉野の金峯山(きんぷせん)に長く別当(寺のトップ)を務め る老僧がいた。次席の僧が、その地位を奪うために用意したのが、毒キノコとして知られる「わたり」である。

 ▼僧は別当を招き、ヒラタケと偽ってわたりの料理を振る舞った。ところが、別当に苦しむ様子はみられない。「こんな見事なわたりの料理を食べたことがな い」とうそぶく始末。別当はキノコの毒にあたらない人だった、というのが落ちになっている。


 ▼わたりとは、ツキヨタケを指す。現在でも、誤って食べる人が後を絶たない。今月9日、日光の男体山で採ったキノコを食べた栃木県内の男女4人が、吐き 気や嘔吐(おうと)の症状を訴えた。「ヒラタケと思っていた」と話していることから、ツキヨタケによる食中毒の可能性が高い。確かに図鑑の写真を比べて も、ほとんど見分けがつかない。

 ▼そのほか、ニセクロハツ、ドクカラカサタケといった別の毒キノコによる被害も報告されている。国内には、3千種以上のキノコがあり、まだ、名前のつい ていないキノコがその3~5倍存在するといわれている。

 ▼毒の成分が分かっているのもほんの一部にすぎない。キノコの世界は奥が深い。9月上旬まで猛暑が続いた平成22年は、キノコによる食中毒が多発した。 今年の日本列島も酷暑にあえぎ、さらに度重なる台風によって、湿り気も十分だ。秋の行楽シーズンを迎えて、要注意である。

 ▼江戸後期の俳人、小林一茶は50歳を過ぎてから、故郷の信州に落ち着いた。秋にはキノコ狩りに夢中になった。〈化かされな茸(きのこ)も紅(べに)を 付けて出た〉。一茶も毒キノコの美しさに化かされたことがあったのか。











2018年9月16日日曜日

【産経抄】2018-09-16(日)

【産経抄】2018-09-16(日)


 プロゴルファーの青木功さんは、店頭のパターに一目惚(ぼ)れした。買って握ってみると、シャフト(柄)がやや長い。「切っちまうべぇ」。糸のこでグ リップをまるごと切り落とした。グリーン上で腰をくの字に曲げる打法は、このパターから生まれたという(『勝負論』新潮新書)。

 ▼切る。削る。おもりを付ける。手元のクラブがブランドものの逸品であれ、手になじむまで加工した。ショットを放つ瞬間、わずか1ミリのずれが、100 メートル先では数メートルもの狂いを生む。道具を侮る者は、「いつかその道具に裏切られる」。青木さんの経験則である。


 ▼「時の人」が市販のラケットで偉業を成し遂げたと聞き、スポーツ用品店に急いだ若者も多かったろう。テニスの全米オープンを制した大坂なおみ選手であ る。残念ながら「市販」は誤報だったらしい。メーカー側が、「市販品とは異なる仕様でした」と訂正した。

 ▼大坂選手の飾らない人柄も手伝い、「市販」のニュースは胸に落ちるものがあった。メーカーによると重さにして「約2%」の差で、数グラムの違いとか。 ペン以外の物を持ち慣れぬ身には雲をつかむような話である。トップ選手のみが知る、道具の重みがあるらしい。

 ▼〈能書は必ず好筆を用ふ〉と、空海の言葉にある。字が達者な人は、良い筆を使う。「弘法筆を選ばず」ではなく道具を選んでいた。次は自分も、と色めき 立ったテニス愛好家には気の毒だが、誰もが同じラケットで手軽に強くなっては、大坂選手の立つ瀬がない。

 ▼将棋の故大山康晴名人は上達の秘訣(ひけつ)を子供から問われ、「いい駒といい盤を持つこと」と答えている。いい道具を持てば手入れを心がける。上達 への一歩だ、と。「なおみ」を目指す子供たちの道しるべだろう。










2018年9月15日土曜日

【産経抄】2018-09-15

【産経抄】2018-09-15


 「自衛権の発動としての戦争も、又(また)交戦権も放棄した」。吉田茂首相は昭和21年の憲法制定議会で、新憲法9条についてこう説明した。自衛戦争す ら認めないのだから、この解釈の下で自衛隊が認められる道理がない。これが当初の政府の憲法解釈だったことを、まず押さえておきたい。

 ▼興味深いことに、9条に強く反対したのは共産党だった。24年間も議長を務めた野坂参三氏(後に除名)は、党を代表して訴えた。「これは一個の空文に 過ぎない」「わが国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある」。


 ▼現在では9条護持を唱える共産党の変わり身も、見事である。ただ、政府も負けてはいない。大村清一防衛庁長官は29年、「武力攻撃を受けた場合に、国 土を防衛する手段として武力を行使することは、憲法に違反しない」とする政府統一見解を表明した。

 ▼吉田首相は「近年の戦争の多くは国家防衛権の名に於(お)いて行われた」とも答弁していたが、政府の憲法解釈は百八十度転換した。背景には、連合国軍 総司令部(GHQ)が朝鮮戦争に伴う米占領軍出兵で生じた戦略的空白を、日本自身で埋めさせようとした事情がある。

 ▼「この理想(9条)があまりにも当然な自己保存の法則に道を譲らなければならぬことはいうまでもない」。マッカーサー連合国軍最高司令官は26年の日 本国民に与えた年頭のメッセージで、こう強調していた。9条を自ら押しつけておきながら、ご都合主義の極みである。

 ▼憲法は制定経緯も審議過程も条文解釈も、実はGHQ製である点も含め、その場しのぎのごまかしを続けてここまできた。14日の日本記者クラブ主催の自 民党総裁選討論会を見ながら、改めてこのまま放置はできないと痛感した











2018年9月14日金曜日

【産経抄】2018-09-14

【産経抄】2018-09-14


 プーチン大統領が首相に声をかけた。「危機から脱却する方法を二つ思いついた。一つ目は火星人が来てロシア人を助けてくれるのを待つ。二つ目はなんとか して自力で危機から立ち直る」。すると首相はこう答えた。「大統領、二つ目の方法は非現実だから検討すべきではありません」。

 ▼モスクワ生まれのエコノミスト、菅野沙織さんの著書で知ったジョークである。実は冗談ではなくなった。1998年の金融危機を救ったのは、原油価格の 上昇という「火星人」である。


 ▼強引な対外政策が目立つプーチン政権は、欧米諸国の対露制裁によって経済低迷に再び苦しんでいる。日本との「経済協力」を新たな火星人として期待して いるのではないか。それを呼び込むための「奇策」と解釈すれば合点がいく。

 ▼「東方経済フォーラム」で、プーチン大統領が提案した「平和条約の年内締結」は、あまりにも唐突だった。もちろん、締結は北方領土問題が解決してか ら、との日本側の立場が変わるはずもない。奇策は、ロシア外交のお家芸といえる。

 ▼吉村昭の『ポーツマスの旗』にこんな場面があった。日露戦争の講和会議のさなか、日本の全権大使、小村寿太郎は新聞を見て愕然(がくぜん)とする。日 本がロシア側に提示した講和条件が列記されていた。会議の内容は漏らさないとの約束をロシア側が破ったわけだ。新聞を利用し、各国の世論の同情を買うのが 目的である。小村は日本外交の歴史の浅さを思い知らされる。

 ▼その後日本も修羅場をくぐってきた。奇策に驚いてばかりもいられない。プーチン氏は白々しくも「今、思いついた」「ジョークではない」と述べた。安倍 晋三首相も「ジョークとして受け取っておく」と、とぼけておけばよかった。











2018年9月13日木曜日

【産経抄】2018-09-13

【産経抄】2018-09-13


 元裁判官の原田国男さんが、若い頃の米国研修で何より驚いたのは、裁判官に対する敬意の強さだった。連邦最高裁判事ともなると、全米のスターなみであ る。それに比べて日本の裁判官は、世間の普通の付き合いからも孤立しがちだ。米国人学者の言葉を借りれば、「名もない顔もない裁判官」である(『裁判の非 情と人情』岩波新書)。

 ▼ところが最近は、裁判官の気質も変わってきたようだ。岡口基一・東京高裁判事(52)は、実名でツイッターに投稿する裁判官として、ネットの世界では 有名人物だという。やはりツイッターをこよなく愛するトランプ米大統領と、物議をかもすという点で共通している。


 ▼数多い投稿には、縄で縛られた上半身裸の男性の画像や、女子高校生が殺害された事件をめぐる不適切なつぶやきも含まれる。東京高裁からは2度にわたっ て、厳重注意を受けてきた。

 ▼今回問題になったのは、犬の所有権をめぐる民事訴訟についての書き込みである。勝訴した元の飼い主の抗議を受けて、東京高裁は懲戒を申し立てた。11 日に最高裁大法廷が非公開で開いた「分限裁判」に、小紙記者が傍聴を求めたものの認められなかった。

 ▼「公開の場で手続きを明確にすべきだ」。審問後の会見で岡口氏がこう訴えているのは理解できる。ただ、「申し立ては、表現の自由を侵害している」との 主張には、首をかしげる。人を不快にする行為は慎む。これは、裁判官でなくても、社会人としての常識である。

 ▼もっとも、処分がどうあれ、岡口氏は裁判官を続けられる。原田さんは現役時代、公判の前日には、藤沢周平全集を読み直して、心を静めたそうだ。こんな 人に裁かれたいと思っても、こちらに選ぶ権利がないのが残念だ。











2018年9月12日水曜日

2018-09-12 aomori「市からのお知らせ」第407号◆浪岡北畠氏祖 顕成(あきなり)公入部行列◆

中央卸売市場では、9月15日(土)7:00~10:00「市場開放デー」を開催します。新鮮な水産や青果、花きの即売のほか8:00からはりんごと梨の振る舞い(限定300食)もありますので、秋の味覚を味わってみませんか。

☆★イベント情報★☆

◆浪岡北畠氏祖 顕成(あきなり)公入部行列◆
 南北朝時代の武将、北畠顕家の嫡子である顕成が南部氏のひ護のもと、浪岡に移ったという一説を基に北畠氏とその家臣、そして可愛らしい稚児たちが練り歩きます。
〔日時〕9月16日(日)11:00~※雨天時は翌日に延期
〔場所〕JR浪岡駅前~浪岡庁舎
〔問合せ〕青森市浪岡商工会(電話 0172-62-2511)

◆浪岡北畠秋まつり“火おこし”◆
 約13mの木柱でやぐらを組み、ロープを引き合って火をおこし、家内安全や五穀豊穣などを願う勇壮な火祭り。かがり火にともされた会場では出店やステージイベントもお楽しみいただけますのでぜひお越しください。
〔日時〕9月16日(日)15:00~※雨天時は翌日以降に順延
〔場所〕花岡公園多目的広場
〔内容〕北畠三代ねぶた展示、黒石八郎、張間陽子、横笛奏者・ヒロマサによるステージ、吉野田獅子踊りなど
〔問合せ〕実行委員会(電話 0172-62-2511)


○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/
○携帯サイト「青森市mini」
http://www.city.aomori.aomori.jp/keitai-mini.htm









【産経抄】2018-09-12

【産経抄】2018-09-12


 まさに「雌雄を決する」という表現がふさわしい。1973年に米国で行われた、女子テニスの女王、ビリー・ジーン・キング夫人と男子の元世界王者、ボ ビー・リッグス氏の試合である。

 ▼キング夫人は当時、女子の優勝賞金が男子の8分の1という差別に反発、全米テニス協会に反旗を翻していた。そんなキング夫人に、男性至上主義を公言す るリッグス氏が勝負を持ちかけた。結果はキング夫人のストレート勝ちである。

 ▼この試合をモデルにした映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は、今夏日本で公開された。試合後キング夫人らの奮闘によって、男女の金額差は縮まって いく。その名を冠した会場で開催される現在の全米オープンでは、優勝賞金は同額である。


 ▼もっとも今年の女子シングルス決勝の審判の判定をめぐって、再び男女の差別問題が浮上している。元女王のセリーナ・ウィリアムズ選手は、ラケットを投 げつける行為や審判への暴言に対するペナルティーとして、ゲームを奪われ、試合後には罰金を科された。

 ▼男子選手とは違う扱いだ、とのウィリアムズ選手の主張に対して、賛否両論が巻き起こっている。往年の名選手では、ジョン・マッケンロー氏が、ウィリア ムズ選手の擁護に回った。そもそも選手に倫理規定が適用されるきっかけをつくったのは、現役時代コート上で激情にかられる振る舞いが目立ったマッケンロー 氏である。

 ▼その悪童ぶりは、やはり公開中の映画「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」で再現されている。「伝説の試合」とたたえられる80年のウィンブルド ン決勝を描いた作品だ。大坂なおみ(20)という新たなヒロインを生んだドラマ多きこの大会も、いつか、映画化されるかもしれない。











2018年9月11日火曜日

【産経抄】2018-09-11

【産経抄】2018-09-11


 将棋でも囲碁でも、勝負の決着は静かにつく。対局者の表情からは、どちらが勝ったのか分からない場合がある。感情を面に出さないのが、プロ棋士のたしな みだからだ。スポーツの世界ではあり得ない光景である。

 ▼その意味で、今年のテニスの全米オープン女子シングルスは、異様な雰囲気のなかで幕を閉じた。勝者である大坂なおみ選手(20)は、ガッツポーズを見 せることはない。笑顔さえなく、ただ涙がこぼれるばかりである。四大大会シングルス制覇という、日本テニス史上初の快挙を成し遂げたというのに。


 ▼原因は全て、敗れた米国のセリーナ・ウィリアムズ選手(36)にある。繰り返し受けた警告に激怒し審判をののしった揚げ句、集中力を失って自滅した。 観客はウィリアムズ選手に加勢して、ブーイングを浴びせ続けた。

 ▼「みんな彼女を応援してたんでしょ。こんな結果でごめんなさい」。表彰式での大坂選手のスピーチは前代未聞である。元女王のウィリアムズ選手には、 「プレーしてくれてありがとう」と頭を下げた。大和撫子(なでしこ)らしい振る舞いが功を奏して、ようやく祝福の拍手が広がった。

 ▼将棋の話に戻せば、元名人の升田幸三は、著書の『王手』でこう説いた。「師匠が弟子を叱るのは、基本を身につけさせる段階までです」「そして基本を出 て、最後は、その人の心になる」。

 ▼もともと大坂選手は、強力なサーブとストロークは折り紙付きながら、精神的なもろさが指摘されてきた。昨年12月から専属コーチになったサーシャ・バ インさんは、我慢の大切さを教え、徹底的なトレーニングによる体作りを重視した。見事、才能を開花させた大坂選手はウィリアムズ選手に代わって、「名人」 への第一歩を踏み出した。











2018年9月10日月曜日

2018年9月9日日曜日

【産経抄】2018-09-09(日)

【産経抄】2018-09-09(日)


 銀行マンは取引先の会社を訪ねると3つの点に注意する。トイレ、廊下、予定表である。社員にやる気のない会社はトイレが汚い。商品や伝票は廊下に山と積 まれ、予定表には雑なスケジュールしか書かれていない。

 ▼社員の振る舞いは、業績を映す鏡なのだという(池井戸潤、櫻沢健著『「半沢直樹」で経済がわかる!』)。いかなる取引も疑ってかかるのが銀行業界の基 本とされ、これを「健全なる猜疑心(さいぎしん)」と呼ぶらしい。それにしても借り手の信用を測る物差しがトイレとは。


 ▼逆はどうか。この銀行のお手洗いをのぞいてみたいものである。低金利時代を乗り切るためには借り手の涙もいとわない。そんな経営がまかり通っていたこ とに驚く。シェアハウス投資をめぐるスルガ銀行の不正融資で、第三者委員会は「組織的な不正」と断じた。

 ▼シェアハウスの運営会社と手を結び、顧客に自己資金があると見せかけた改竄(かいざん)書類は数百件にのぼる。無担保のずさんな融資や、営業成績の悪 い行員を上司がなじるパワハラもあったという。注意を払うのが融資相手の信頼度ではなく、上司の顔色とは言葉もない。

 ▼「自己資金ゼロ」の怪しい文句で始まった儲(もう)け話ゆえ、借り手の落ち度も問われよう。十分な元手もなしに過剰な融資を受けるリスク、うまい話に は裏があるという世間の通り相場に敏感であってほしかった。返済に窮したオーナーも多く、成り行きが気にかかる。

 ▼筋の悪い金融業者も顔色を失う不正の構図である。刑事責任を問われてもやむなしの騒動は、やがて「倍返し」以上のしっぺ返しを受けよう。創業家出身の 会長らが辞任したところで、信用を測る物差しの汚れは簡単に消えるまい。洗えば落ちるトイレの汚れとは、わけが違う。










2018年9月8日土曜日

【産経抄】2018-09-08

【産経抄】2018-09-08


 憲法を改正し、自衛隊を憲法条文に明記すべきだとの考えは、何も安倍晋三首相の専売特許ではない。小紙(当時はサンケイ新聞)の昭和56年元日付の「年 頭の主張」は訴えた。「このことこそ、現下の緊急にして最重要の政治案件である」。37年以上前から一貫している。

 ▼「自衛隊の正当性を明確化すべきだ」。安倍首相は、6日に放送されたインターネットのDHCテレビ番組で強調した。問題意識は「年頭の主張」の次の指 摘と通底する。「自衛隊が(中略)条文解釈と、法の欺瞞(ぎまん)的運用によって辛うじて存立している」。


 ▼一方、共産党の志位和夫委員長はこんな立場を示す。「自衛隊が憲法違反なのは明瞭だ。(中略)大規模災害など必要に迫られた場合には活用するのは当然 だ」(平成28年6月の日本記者クラブ主催の党首討論会)。違憲だが、存在するから使うというご都合主義である。

 ▼自衛隊は現在、6日未明に最大震度7の地震が発生した北海道で、懸命の救助・支援活動に当たっている。北朝鮮情勢も今後、何が起こるか分からない。国 民を守る自衛隊を、曖昧な地位に置き続けることにどんな道理があろうか。

 ▼8月には埼玉県の共産党市議らが、子供用迷彩服の試着体験などの自衛隊イベントを中止させたり、自衛隊の航空ショーの中止を求めたりもした。自衛隊が 憲法に位置づけられれば、こんな差別的ともいえる嫌がらせ行為も影を潜めよう。

 ▼日章旗を国旗に、君が代を国歌に定めた11年の国旗国歌法制定時には、「今までも国旗、国歌として扱われてきたのだから法制化は必要ない」との消極論 も目立った。だが、法律に明記したことで、日教組などの国旗国歌反対運動は根拠を失い、沈静化していったのだった。











2018年9月7日金曜日

【産経抄】2018-09-07

【産経抄】2018-09-07


 明治維新後、蝦夷(えぞ)地は北海道と命名された。それから150年目に当たる今年、道内各地で記念事業が行われてきた。名付け親となったのが、幕末の 探検家、松浦武四郎である。

 ▼6度にわたり、道内から千島、樺太(現サハリン)を調査して、日誌、紀行類など186巻を残した。安政5(1858)年には、現在の苫小牧市から厚真 町(あつまちょう)に入り、アイヌ民族の村で2泊している。現在は「町の犬」に指定されている厚真犬を、狩猟犬として大変優れている、と日誌に書き残して いた。


 ▼日本列島を縦断した台風は各地に大きな爪痕を残した。追い打ちをかけるように6日未明、北海道で最大震度7の地震が発生した。震源に近い厚真町は大規 模な土砂崩れに見舞われ、住宅が倒壊、住民が閉じ込められた。山々の緑は引きはがされ、無残な姿をさらしている。台風による大雨で、地盤が緩んでいたよう だ。

 ▼火力発電所の緊急停止は、道内すべての約295万戸が停電するという異常な状況を招いた。新幹線を含めた鉄道が運転を見合わせ、新千歳空港は閉鎖、道 路も各地で寸断されている。

 ▼住民にとって何よりの気がかりは、テレビや電源が切れたスマートフォンから情報が入手できなくなる事態であろう。停電が、どれほどの苦痛と不便をもた らすのか。台風による浸水のために関西国際空港に取り残された利用客がいやというほど味わったばかりである。クーラーは利かず、家族とも連絡が取れなく なった。

 ▼厚真町にある、武四郎の碑には、滞在中に詠んだ歌が刻まれている。〈えみしらも 志らぬ深山に分けいれば ふみまようべき 道だにもなし〉。道なき道 をさまよっていた武四郎の心細さを平成の終わりになって、強いられるとは…。











2018年9月6日木曜日

【産経抄】2018-09-06

【産経抄】2018-09-06


 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手は4日、レンジャーズ戦で、16号ソロホームランを放った。この日の大谷選手は「2番・指名打者」で出場してい た。

 ▼強打者の打順が3番や4番でなくても、今や誰も驚かない。以前のコラムで書いたように、「セイバーメトリクス」と呼ばれる新たなデータ分析手法が、選 手の評価や戦術を変えつつある。

 ▼東京医科大の不正入試をきっかけに、文部科学省が行った緊急調査の結果が出た。医学部医学科のある81の大学の過去6年の入試を調べると、8割近くの 大学で、女性の合格率が男性より低かった。こちらの新たなデータも分析が進めば、医療の世界の変革につながるかもしれない。


 ▼女性の合格者数を得点操作で抑えていた東京医大より、男女合格率の格差が大きかった大学も13校あった。今のところ、不正の報告はない。ただ、医学科 以外の学部、学科の入学率では、男女同程度かむしろ女性の方が高いこともわかっている。「男性優位」は、東京医大だけではない。女子受験生の疑念は深まっ たはずだ。

 ▼実は女性医師にかかった方が長生きする、とのデータがある。内科系の病気で入院した米国の65歳以上の患者約130万人について、担当医の性別で比べ た調査でわかった。死亡率も再入院率も、女性医師の患者の方が低かった。カリフォルニア大ロサンゼルス校の津川友介さんらが一昨年論文を発表すると、大き な反響を呼んだ。

 ▼米国でも医師の世界は男性社会とされてきたからだ。その米国より女性医師の割合が小さい日本で、同様の大規模な調査が行われたらどんな結果が出るか、 楽しみである。女性医師の診察の質の高さが証明されれば、男性優位の風潮は是正されるだろうか。











2018年9月5日水曜日

2018-09-08 中観派ーー空観

龍樹(ナーガールジュナ)は、般若経典の般若波羅蜜の解釈を主眼として、空の思想を理論化した。あらゆる存在(一切法)は、縁起によって成立しており不変の独自性はもたない(無自性空)とする見方に立つ。

縁起とは、他との関係が縁となって生起するということ。全ての現象は、原因や条件が相互に関係しあって成立しているものであって独立自存のものではなく、条件や原因がなくなれば結果も自ずから無くなるということを指す。仏教の根本的教理・基本的教説の1つであり、釈迦の悟りの内容を表明するものとされる。

無自性とは、「自性」がないということです。その「自性」とは、変化するものの根底にあって常に同一で、固有のものであり続ける永遠不変の本質という意味です。また、ほかの何ものにも依らずに、それ自身によって存在する本体のことだということです。

大乗仏教の考え方では、このような「自性」とか「本体」は基本的には否定されます。すべては生滅し変化する「無常」なものであって、永遠不滅な本体などないと考えることが無自性空ということになります。

 一切(あらゆる存在)が空であるとする見方(空観)は、すべてが虚無であるとする考え方にきこえるが、そうではない。<空>と<無>は似ているがまったく異なる考え方で、「中観派」と呼ばれるのは、世界を<実在>とする極端説と<虚無>であるとする極端説のどちらからも離れた中道をとるからである。

有(実在)でもなく無(虚無)でもない<空>とは

 龍樹(ナーガールジュナ)は、これを飛蚊症という眼病のたとえで説明しています。飛蚊症にかかると毛筋のようなものが見えるが、それは見えているだけで存在はしてはいないので有ではないということになる。しかし、飛蚊症が治るとそれは消えて無くなる。無であるものがなくなることはないので、無であるとはいえない。毛筋のようなものは、有でも無でもない。すなわち<空>であると説明する。現象するすべてのものが、これと同じあり方をするという。

この世界における現象のすべては<縁起>によって現れてくるが、それらは<空を本質とする>(空性)と説かれる。それらは、かならず何かにもとづいての仮の現れでしかない。さらに、このようなあり方をしているものは、また<中道>にほかならない。というのは、あらゆるもの、あらゆることがらが、かならず他のもの、他のことがらと<相互に依存する関係>の上にはじめて成立し、自己同一を保つ実体的なものやことがらは何もないからである。

このようにことばの虚構の上に成立している現象世界において、分別をはたらかせることによって、行為と煩悩が生まれる。それらは世界を<空なるもの>と見ることによって、滅することができる。<分別>を否定し、ことばによる思考・判断に惑わされることなく、一切を<空>とみるものの見方、これこそが般若波羅蜜、すなわち<智慧の完成>であるとする。












2018-09-05 aomori「市からのお知らせ」第406号◆第2回北のまほろばモニタリングツアー◆

9月9日(日)新県総合運動公園球技場でラインメール青森FCがヴェルスパ大分と対戦します。勝利へ向けてスタジアムから熱い声援をお願いします! 詳しくは、ラインメール青森FCのホームページ(http://reinmeer-aomori.jp/)をご覧ください。

☆★イベント情報★☆

◆第2回北のまほろばモニタリングツアー◆
 あおもり北のまほろば歴史館、縄文の学び舎・小牧野館、小牧野の森・どんぐりの家、森林博物館を巡るバスツアー。今、注目の縄文文化に触れてみませんか?
〔日時〕9月27日(木)9:15駅前庁舎集合、15:30終了予定
〔定員〕20人(抽選※初参加のかた優先)
〔料金〕無料
〔備考〕昼食持参、見学後アンケートあり
〔申込み〕9月10日(月)消印有効で、往復はがき(1枚2人まで)に参加者の住所・氏名・年齢・電話番号を記入し、〒030-0801新町一丁目3-7青森市役所文化財課へ
〔問合せ〕文化財課(電話 017-718-1392)

☆★お知らせ★☆

◆あおもり10市大祭典 跳人募集◆
 県内10市自慢のお祭りが青森市内の商店街を練り歩くパレードは大迫力! 現在、青森ねぶたのお祭りパレードに出演する跳人を募集中ですので、奮ってご参加ください。
〔日時〕1、9月22日(土)18:00集合 2、9月23日(日)14:00集合 ※パレードは約1時間30分
〔場所〕パレードスタート地点(柳町通り山車待機場所)付近集合
〔対象〕ハネト衣装・花笠(正装)をお持ちのかたで、当日着用して集合が可能なかた ※衣装貸出不可、着替え場所・謝礼・弁当はありません
〔定員〕各日100人(申込順)
〔申込み〕9月14日(金)までに、住所・氏名・年齢・電話番号・参加希望日を観光課(電話 017-734-5179、ファックス 017-734-5188、メール kanko@city.aomori.aomori.jp)へ
〔問合せ〕観光課(電話 017-734-5179)


○青森市ホームページ
http://www.city.aomori.aomori.jp/
○携帯サイト「青森市mini」
http://www.city.aomori.aomori.jp/keitai-mini.htm










【産経抄】2018-09-05

【産経抄】2018-09-05


 「青田買い」は本来、「稲が成熟する前に、収穫を見越して先買いすること」である。企業が人材獲得のために、卒業前の学生を早期に採用する。この意味で 使われるようになったのは、高度成長期からだ。

 ▼就職活動の基本ルールである「就職協定」は、昭和28(1953)年に始まった。ところが35年ごろから、企業側と大学側の申し合わせが公然と破ら れ、社会問題化する。やがて「早苗買い」「種モミ買い」などとエスカレートしていく。


 ▼経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)の発言が、波紋を広げている。新卒学生の採用に関する指針を廃止すべきだ、との考えを示した。正式に決まれ ば、平成33(2021)年春入社の対象となる現在の大学2年生は、ルールのないまま就職活動を行うことになる。

 ▼いくつかの新聞は、「青田買い」の見出しを付けて伝えていた。もともと、経団連に加盟していない外資系企業などは、ルールに縛られていない。罰則がな い「紳士協定」とあって、経団連メンバーの大手企業の間でも、優秀な学生を囲い込んで採用を前倒しする動きが広がっていた。

 ▼ただ、採用活動が自由になれば、当然就活の早期化、長期化が進む。学業が手に付かない学生がますます増えそうだ。人気企業に優秀な人材が集中する、格 差拡大の指摘もある。

 ▼実は戦前にも就職協定は存在していた。卒業が確定した後で、採用試験を行うとの申し合わせである。小津安二郎監督の「大学は出たけれど」で、登場人物 が卒業後に就活しているのも、協定が効力を発揮していたからだ。ところが求人難になると抜け駆けする会社が続出して、協定は破棄される(『「就活」の社会 史』難波功士(こうじ)著)。まさに歴史は繰り返す。











2018年9月4日火曜日

【産経抄】2018-09-04

【産経抄】2018-09-04


 非常に強い台風21号が、本日昼ごろにも、西日本に上陸する。台風の進路予想図を確認するたびに願わずにはいられない。科学の力で進行方向をねじ曲げ て、列島直撃を避けられないのか、と。

 ▼実は、ハリケーンの進路を変えられると、豪語する科学者がいた。1932年にノーベル化学賞を受けた米国のアービング・ラングミュアである。晩年に は、ドライアイスやヨウ化銀を雲に投下する実験にのめり込んだ。

 ▼本人は試みが成功したと主張したものの、気象学者らの反応は冷ややかだった。科学史家のジェイムズ・ロジャー・フレミング氏も、ラングミュアの「病的 な妄想」と判断せざるを得ないという(『気象を操作したいと願った人間の歴史』)。


 ▼人類は古来、気象や天気の支配を夢見てきた。地球温暖化への懸念が広がるなか、科学の力で解決を図る「気象工学」と呼ばれる考え方が注目されてきた。 いわば攻めの姿勢から、さまざまな提案が出されている。太陽光を遮断する防御壁を打ち上げて、地球に日陰をつくる。海洋に鉄を散布して植物プランクトンを 増やし、二酸化炭素をより多く吸収してもらう。

 ▼もちろん、奇想天外な提案はすべて構想の段階にとどまっている。果たして成果が上がるのか定かではなく、想定外の副作用を生んだ場合、生態系や社会に 甚大な影響を与える恐れがあるからだ。たとえば、台風の進路を人工的に変える技術が開発されたとしても、新たな行き先に被害が出た場合、誰が責任を取るべ きかという問題が発生する。

 ▼と、いうわけで現在のところ、台風の猛威に対しては、守りに徹するしかない。最新の情報を入手して、早めに避難して身を守る。そして天に祈るしかな い。台風よ、一刻も早く去れ!












2018-09-04 大乗仏教・六波羅蜜(ろくはらみつ)とは

六波羅蜜(ろくはらみつ)とは
大乗仏教で説く悟りの彼岸に至るための6つの修行徳目。六度彼岸(ろくどひがん)や六度とも呼ばれる。
仏教において迷いの世界から悟りの世界へ至ること、および、そのために菩薩が行う修行のこと。到彼岸、度、玄奘以降の新訳では波羅蜜多などとも訳す。六波羅蜜と十波羅蜜があり、大乗仏教では実践を六波羅蜜にまとめている。



布施波羅蜜
(ふせ)
- 分け与えること。財施(喜捨を行なう(寺社や貧しい人に施しを喜んですること))・無畏施(むいせ(人におそれの念を起こさせないこと。恐怖心を取り除くこと。))・法施(仏法について教える)などの布施である。檀と略す場合もある。
持戒波羅蜜
(じかい)
-戒律を守ること。出家の場合は律に規定された禁戒を守ることを指す。
忍辱波羅蜜
(にんにく)
-耐え忍ぶこと。
精進波羅蜜
(しょうじん)
-努力すること。
禅定波羅蜜
(ぜんじょう)
-散乱する心を安定させること。
般若波羅蜜
(はんにゃ)
-慧波羅蜜とも呼ばれ、前五波羅蜜は、この般若波羅蜜を成就するための階梯であるとともに、般若波羅蜜を希求することによって調御、成就される。



龍樹は『宝行王正論』においてこの6項目を以下の3つに分けて解説している。
布施・持戒-「利他」
忍辱・精進-「自利」
禅定・智慧-「解脱
龍樹によれば、釈迦の教えとは要約すれば「自利・利他・解脱」の3つに尽き、「自利・利他・解脱」はすべて六波羅蜜によって包摂されるとしている。
龍樹(りゅうじゅ)は、2世紀に生まれたインド仏教の僧である。サンスクリット語ではナーガールジュナ。中観派の祖であり、日本では、八宗の祖師と称されることがある。

日本八宗
天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗をさす。












2018年9月3日月曜日

【産経抄】2018-09-03

【産経抄】2018-09-03


 「初サンマ1匹7万円」。7月の新聞でこの見出しを見たとき、今年も大好物はあきらめるしかないと、観念した。釧路港などに水揚げされたサンマの初セリ で、1キロ当たり50万円という、過去最高値がついたというのだ。

 ▼ここ数年、深刻な不漁が続いてきた。特に昨年の落ち込みは極端だった。海水温や潮流の変化によって、日本沿岸に近づくサンマの数が減っている。公海上 での、台湾や中国の大型船による乱獲も要因の一つである。


 ▼ところが8月下旬に入ると、一転して北海道沖で漁獲が回復してきた。卸値も前年の同じ時期に比べて半値近くも安くなっている。鮮魚売り場の目玉商品に するスーパーも目立つ。小欄も先週末、たっぷりの大根おろしとともに脂の乗ったサンマの塩焼きを久しぶりに堪能した。このまま好漁が続くのを祈るばかりで ある。

 ▼次の日曜日、東京都品川区の目黒駅前商店街では、食欲を誘う白い煙が立ちこめているはずだ。「目黒のさんま祭り」が開催され、岩手県宮古市が提供する 7千匹のサンマが無料で振る舞われる。

 ▼近くの養護老人ホームでは、祭りのきっかけとなった古典落語の「目黒のさんま」が披露される。「さんまは目黒にかぎる」と決めつけた殿様は、実在した らしい。しかも将軍である。「三代家光か、八代吉宗か定かではないが、目黒に住む百姓彦四郎なる者の茶屋で休息、さんまを食した記録があるという」(『落 語食譜』矢野誠一著)。

 ▼「サンマかイワシのようなもの」。病床にあった昭和天皇は、医師から食べたいものを聞かれて、こう答えられたという。〈遠方の雲に暑(しょ)を置き青 さんま〉(飯田龍太(りゅうた))。平成の次の時代も、サンマは秋の味覚の代表でいてくれるだろうか。












2018年9月2日日曜日

【産経抄】2018-09-02(日)

【産経抄】2018-09-02


 ことわざのパロディーにある。<前菜は忘れた頃にやってくる>(森真紀(まさのり)著、『悪妻盆に帰らず』)。居酒屋の先付けもフルコースの前菜も、遅 れて来た一皿にはどこか憎めないものがある。他日の笑い話になる分、天災より罪が軽いからだろう。

 ▼9月1日は「防災の日」であり「二百十日」でもあった。立春から数えて210日目は古来、台風の時節と重なる。〈二百十日日も尋常の夕べかな〉(蕪 村)。嵐に備えた一日が無事に暮れる-。実りの秋を前に、台風の進路に死活を重ねた先人のおびえがにじむ。


 ▼6月以降、大阪北部で激しい地震があり、西日本豪雨による広域の水害があった。それぞれが「数十年に1度」というレベルの猛威である。「命にかかわ る」と形容された酷暑も被災地を苦しめた。「天災」という響きに、これほど身構えた夏はあまり記憶にない。

 ▼台風の直撃も一再ではなかった。揺れ、水、熱、風。地異や天変が折り重なる「複合災害」への備えが、欠かせない時代である。いざというときに何を持ち 出すのか。避難場所はどこか。離ればなれの家族とどこで落ち合うか。大切な人との間で確認しておきたい。

 ▼国の守りも同じだろう。来年度予算で防衛省の要求額が過去最大となった。弾道ミサイルの脅威に対し、地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を 導入する。動静の読めぬ相手が狭い海の向こうにいる。使い道に習熟し有事に対処できなければ意味がない。

 ▼パロディーといえば〈備えあれば嬉(うれし)いな〉(備えあれば憂いなし)もあった。こと防災と国防に関して言えば〈嬉しいな〉ではなく〈嬉し? 否 (いな)〉がちょうどいい。万端に行き届いた準備をし、さあ来いと身構える。要諦は、この一点に尽きよう。












2018年9月1日土曜日

【産経抄】2018-09-01

【産経抄】2018-09-01


 かつて新聞2紙の社説に「万死に値する」と名指しされた人物がいた。当時、首相在任中だった民主党の鳩山由紀夫氏である。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野 湾市)の移設先をめぐり、当初は華々しく「最低でも県外」と唱えながら、迷走の果てに元の名護市辺野古案に立ち返った。

 ▼「罪万死に値する失政である」。平成22年5月29日付の日経新聞社説は、こんな書き出しだった。23年2月14日付の沖縄県の地元紙、琉球新報の社 説はもっと手厳しい。「政治音痴の素人政治家が国を動かし、国民を翻弄し、政治不信を高める。万死に値する大罪だ」。


 ▼民主党の後裔(こうえい)である立憲民主党は、こうした経緯もあり、これまで辺野古移設への賛否を明確にしてこなかった。ところが、鳩山内閣の閣僚 だった枝野幸男代表は先月29日、那覇市での記者会見で移設反対へとかじを切り、こう胸を張った。「立憲民主は、新しい政党だ」。

 ▼辺野古移設に反対し、沖縄県知事選への立候補を正式表明した自由党の玉城デニー幹事長を支援するために、態度をはっきりさせたらしい。だが、民主党時 代の政策・方針には縛られないというのには無理がある。党名も構成員も民主党から受け継いでいる。

 ▼その立憲民主党の支持率が振るわない。産経新聞社とFNNの合同世論調査では今年3月以降、6カ月連続でじわじわと下降している。非自民党層や反安倍 晋三政権層をうまく取り込めずに苦戦している。

 ▼「どうしても、(国会)閉会中は野党の報道は少なく、何をしているか分からない」。枝野氏は党勢が伸びない理由をこう分析したが、支持率低下は国会開 会中に始まっている。むしろ、立憲民主党を見守ってきた層が、幻滅して離れつつあるのではないか。