2018年12月20日木曜日

【産経抄】2018-12-20

【産経抄】2018-12-20

 世界で初めて航空母艦(空母)を新造したのは、日本だった。「鳳翔(ほうしょう)」と名付けられ、大正11(1922)年に完成している。第二次大戦中も日本は、米国に次ぐ「空母大国」だった。

 ▼もっとも戦後、海上自衛隊は空母を保有してこなかった。「平和を愛する諸国民の公正と信義」。確かに世界の情勢が日本国憲法の前文通りなら、日本に必要ない。残念ながらそうはならなかった。

 ▼軍備拡張が止まらない中国の脅威に対して、同盟関係にある米軍に頼ってばかりもいられない。政府が閣議決定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」には、そんな危機感がにじみ出ている。海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」型を改修して、事実上の空母化を急ぐのは当然である。

 ▼ただ、戦闘機の常時搭載を見送るのは納得がいかない。「専守防衛」の日本は「攻撃型空母を保有できない」のが、従来の政府見解だった。改修後の「いずも」はまさにこれに当たる、との批判には、堂々と立ち向かえばいい。中国は尖閣諸島奪取と太平洋進出を見据えて、空母建造を急いでいる。野望を抑止できるのは、最新鋭ステルス戦闘機を運用できる空母だけだと。

 ▼中国は予想通り猛反発してきた。「日本は専守防衛の政策を堅守し、軍事・安保分野で慎重に行動しなければならない」。「どの面(つら)下げて」。おっと同じ言葉を最近使っている。中国は、カナダで逮捕されたファーウェイ副会長の解放を求めて、「人権侵害」を持ち出した。国内の弾圧政治を忘れたかのような言い分に、あきれたばかりである。

 ▼中国の主張と軌を一にするように、朝日新聞は社説で訴える。「軍事への傾斜 一線越えた」。何度でも言う。どこの国の新聞か。