そのころ、忠盛(中井貴一)は観音堂に千体の観音像を寄進するなど、璋子への愛憎に苦しむ鳥羽上皇の心の隙に入り込んでいった。やがて、忠盛は武士としては初めて、内裏への昇殿が許される「殿上人」に昇りつめた。祝宴を開き盛り上がる平氏一門をよそに、武士の心を忘れ、出世にいそしむ父の姿に清盛は反発を感じていた。
忠盛の出世は波紋を広げていた。平氏に差をつけられた源氏の棟梁、源為義(小日向文世)はやけ酒をあおり不運を嘆くと息子・義朝(玉木宏)から源氏の凋落(ちょうらく)は為義のふがいなさのためだと責められる。一方、藤原摂関家のおさ・忠実(國村隼)は鳥羽上皇に、忠盛が殿上人になったことへの不服を述べると、上皇は藤原摂関家の命運は自らが握っているかのように答え、忠実を牽制(けんせい)した。
ある日、藤原家成(佐藤二朗)の館で忠盛と清盛を迎えて宴が開かれ、その場に藤原忠実と息子の忠通(堀部圭亮)もやってきた。忠実は一計を講じて忠盛に舞うことを申し付ける。忠盛は堂にいった舞で周囲を魅了するが、忠実は伴奏を乱れさせるほか貴族たちが忠盛に酒を浴びせるように仕組み、忠盛を笑いものにする。屈辱を甘んじて受ける忠盛の態度に清盛は怒りを抑えかねていた。
その後、藤原忠実は源為義を呼び、平忠盛が豊明節会(とよあかりのせちえ)という儀式に出席するときに隙ができることを教え、忠盛を討ち取るようそそのかす。一方、それぞれ父への不満を抱えた清盛と義朝が出会う。清盛は武士の心を忘れて宮仕えにいそしむ父・忠盛への不満をぶつけ、義朝はふがいない父・為義への不満を清盛にぶつけた。そこへ源氏の家臣・鎌田通清(金田明夫)がかけつけ、為義は忠盛を斬るつもりだと告げる。
夕暮れ時、内裏の渡り廊下を一人で歩く忠盛に為義が迫り、源氏の未来と息子・義朝のために忠盛を斬ると告げる。忠盛は「源氏と平氏の勝負は武士が朝廷で力をつけてからでも遅くない」と為義を制し、「王家の犬では終わりたくない」という悲願も告白する。その一部始終を清盛と義朝はかげから見つめていた。忠盛の帰りを待ちかまえていた清盛は、忠盛にいつから野心をもっていたかを問うと、忠盛は「清盛をわが子として育てると決めた時だ」と答えた。父への認識を新たにした清盛は、すがすがしい笑みをうかべていた。
平清盛が生きた平安時代末期