第46回 「頼朝挙兵」 不遇の皇子・以仁王(もちひとおう・柿澤勇人)が諸国の源氏に宛てた平家打倒の令旨が、伊豆の源頼朝(岡田将生)にも届いた。頼朝は源氏が再び立ち上が り、平家を攻めるときが迫っていると感じつつも、戸惑いを隠せない。そんな中、使者の源行家(江良潤)は、この挙兵には頼政(宇梶剛士)も参じていると伝 える。時政(遠藤憲一)らに鼓舞され、頼朝はついに戦支度を始める。 そのころ清盛(松山ケンイチ)は、福原の新都建設計画に没頭していた。そのかたわらにはいつも、仏御前(木村多江)がいた。それまでちょう愛をうけていた 祇王(尾上紫)と祇女(花影アリス)はすっかり取り残されていた。その姿を見ていた亡き兎丸の子・小兎丸(高杉真宙)は、清盛の目指す国づくりに疑念を抱 く。 5月、以仁王の館にいた源頼政(宇梶剛士)は、上洛した清盛から呼び出される。よもやたくらみが露見したかとおののく頼政に、清盛は楽しげに福原遷都の計 画を聞かせる。そして、亡き源義朝(玉木宏)とともに目指した武士の世をつくるため、協力を請うのだった。 その後、清盛は体調を崩した息子・知盛(小柳友)を見舞う。病床に伏していた知盛は、近ごろ馬が駆け回る音がよく聞こえると告げる。そのひと言が発端とな り、清盛は以仁王のたくらみを知ることになる。露見したことを知った以仁王はすぐさま園城寺に難を避け、頼政もあとを追った。頼政までが以仁王側についた ことを知った清盛は激怒する。平家側の厳しい追討から逃れ続け疲労困ぱいする以仁王と頼政。頼政は宇治川で奮戦するが敗走。やがて頼政は自害、以仁王も討 ち死にし、全国に拡大する前に以仁王の乱はあっけなく終わった。 頼朝は神妙な面持ちでその知らせを聞きながら、己の初陣・平治の乱のことを生々しく思い出していた。そして、心の中で何かが騒ぐのを感じるのだった。 乱が鎮まった後、清盛は遷都計画をさらに急ぐ。誰もが反対するなか、内裏が出来上がらぬうちに遷都を強行。安徳天皇や高倉上皇(千葉雄大)、徳子(二階堂 ふみ)らは福原にうつった。本当に遷都する必要があったのかと疑問をぶつける高倉上皇に、清盛はすべてを任せるよう諭す。 評判の悪い遷都のうわさは伊豆にも届いた。頼朝は東国武士たちの不満の声が高まっていることも聞き、清盛の目指した武士の世とは何なのかと、ふつふつと疑 念がわきあがってくる。 福原の清盛を西行(藤木直人)が訪れると、清盛は仏御前のために祇王と祇女を踊らせる座興を行った。そのむごい仕打ちを見た西行は、昔の清盛や義朝と将来 を語り合った思い出を話し、おもしろき世をつくりたいと願った清盛の世とはこれかと問い詰める。そこへ頼盛(西島隆弘)が急報として、高倉上皇の政治を摂 政・基通に託したいという願いと、都を京へ戻したいという声が高まっていることを告げた。 逆上し自分を見失った清盛はすべてを自分の思いどおりにするのだとわめき散らし、恐怖からその場を逃げ出そうとする仏御前を、射殺させようとする。それは かつて清盛の母(吹石一恵)が殺された姿に重なる光景だった。清盛はうなされたように自分が暗闇の中にいることを告げて助けを求めた。さらにそこへ、忠清 (藤本隆宏)が頼朝の挙兵を知らせにとびこんできた。清盛は自らの剣を握りしめ、武士らしい闘志を込めた表情に一変した。頼朝の挙兵こそ、清盛が暗闇を抜 け出すきっかけになったのである。清盛の体に流れる武士の血が、久方ぶりに騒ぎ始めていた。 |
平清盛が生きた平安時代末期