週刊正論編集部 2020/07/18 10:03配信
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
「週刊正論」 令和2年7月17日号
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
【『反日種族主義』著者らの戦い】
櫻井よしこ氏が理事長を務める公益財団法人「国家基本問題研究所」(国基研)の第7回日本研究賞の授賞式が今月14日、都内で開催されました。今回、日本研究賞には日本の朝鮮半島統治時代に関する学術書『反日種族主義 日韓危機の根源』(李栄薫編著、文藝春秋)が選ばれました。しかし、直前になって李氏から「韓国の国内事情により辞退したい」との申し出がありました。
李氏が辞退した理由は、元慰安婦や元朝鮮人戦時労働者の遺族らが、李氏ら『反日種族主義』の執筆陣を名誉棄損などで刑事告訴すると発表したからでした。原告らは、李氏らが「旧日本軍慰安婦を売春婦、強制徴用を立身出世の機会と記述し、歴史を歪曲した」と批判しました。会見を主導したのは、韓国与党「共に民主党」所属の外交統一委員長、宋永吉(ソン・ヨンギル)議員で、宋氏
は「懲罰が必要」と述べました。遺族らは7日に李氏らを刑事告訴しました。
これに対し、李氏らは同じ7日に記者会見し、宋氏や遺族らが「歴史の歪曲だ」などと主張した記述は本の中にはどこにも存在せず、一部のメディアが捏造した虚偽だと反論。逆に、遺族らの代理人弁護士と、宋議員を名誉棄損でソウル南部地検に刑事告訴しました。
李氏らは、日本研究賞を受賞すると今後の裁判に影響が出かねないことを懸念し、辞退したといいます。
韓国では、4月の総選挙で大勝した「共に民主党」が、「歴史歪曲処罰法案」を提出しているほか、「親日発言禁止法案」も準備しています。国基研企画委員兼研究員で麗澤大学客員教授の西岡力氏は国基研「今週の直言」で、「学問と言論の自由は、自由民主主義の根幹だ。韓国が全体主義の方向に進むのか、その動きを止めることができるのか。李栄薫氏らの戦いを注視したい」と記しました。
月刊「正論」のYouTube動画配信番組「CHANNEL SEIRON(チャンネル正論)」では、24日配信予定の「アジアの出来事」で、『反日種族主義』の日本での翻訳出版を李氏らに勧めた産経新聞編集委員の久保田るり子氏が、李氏らの戦いの現状について解説します。
https://www.youtube.com/channel/UCL5q9HVCEjoFXWPBybkhXvQ