2019年8月7日水曜日

2019-08-07 ツイッター 三浦瑠麗氏「あいちトリエンナーレ2019」 3日で中止となった企画展「表現の不自由展・その後」について


2019-08-07 ツイッター

三浦瑠麗氏

国際政治学者。株式会社山猫総合研究所代表。

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」
3日で中止となった企画展「表現の不自由展・その後」についてのツイート


“今般の問題に核心に迫ろうとするならば、どうしても、自由主義と民主主義と立憲主義の問題に戻っていかざるを得ません。…本来守るべき一番重要な原則は、自由主義です。それぞれの人が、自ら正しいと思うとおりに行動し、そこに生きがいを見出して幸せに生きることです。”

“ただ自由を強調しすぎると、強者は自由を謳歌できるけれど、弱者には実質的な自由が保証されません。そこで重要になったのが平等という原則であり、個人の平等性に基づく政治制度が民主主義なのです。ところが、民主主義を強調しすぎると多数派の権利は担保されても、少数派の権利は担保されない”

“そこで、重要とされたのが立憲主義に基づく具体的な諸原則なのです。立憲主義の原則には、大原則と呼べるものから、細かいものまでいろいろなものがあります。多くの国に影響を与えた合衆国憲法上は、言論の自由が憲法修正第一条に掲げられた最重要の立憲主義的な原則となっています。”

“今般の事案をめぐっても、これらの諸原則をめぐって対立と矛盾が生じています。まず、作品の表現者たちが自由に表現したい、現体制に対して政治的な抗議を表明したいという要求があります。もちろん、それらの表現に対しては反対したいという表現も許容されるものです。”

“今般の企画に対しては、多くの国民から圧倒的に多くの抗議が殺到し、民主主義的な原則(≒ここでは単純な多数決原則)に照らして企画が否定されるという状況が生じたのです。それに対して、企画側は言論の自由という立憲主義的原則を盾に抵抗したけれど、持続できなかったということです。”

“そして、企画側が抗しきれなかった大きな理由も、具体的な作品が国民的共感を呼び起こすようなものではなく、民主的な支持も広がらなかったということでしょう。今般の企画では、河村名古屋市長をはじめとする政治家の抗議もありましたから、権力による自由の制限という構図も成り立ちます。”

“ただ、大村知事の説明を額面通り受け入れるならば、企画に対する最大の力は国民から広く寄せられ、一部で暴力化した圧力であったわけです。これは…極めて現代的な課題である。つまり、現代社会における自由の敵は、多くの場合、政府などの権力側からではなく、大衆の側から生じているという問題です”

“大衆の中に存在する集団の間の利害の対立や、暴力的であったり排他的であったりする大衆の欲望が顕在化しているのです。それを覆い隠す形で機能していた、「国民」としてのストーリーが機能しなくなり…リーダー達も、国民すべてを代表することを諦め、支持者へのアピールに勤しんでいる状況がある”

“自由主義にとって最大の敵が、民主主義となっている。そして、民主主義の暴力の前に立憲主義への支持はいかにも弱々しいものになってしまっているのではないか、ということです。”