2019年4月1日月曜日

2019-04-01 平成31年4月1日(2019)午前11時半すぎ、「平成」に代わる新たな元号が「令和(れいわ)」に決定した

政府は平成31年4月1日(2019)午前11時半すぎ、「平成」に代わる新たな元号が「令和(れいわ)」に決定したと菅義偉官房長官が記者会見で発表した。

「大化(645年)」から数えて248番目の新元号「令和(2019年)」がきょう公布され、5月1日に施行。同日の午前0時に元号が切り替わり、皇太子さまが新天皇に即位される。 

「令和」の出典について菅官房長官は、

日本最古の歌集「万葉集」より梅の花の歌、三十二首の序文「初春の令月にして気淑(よ)く風和(やわら)ぎ 梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす」によるものであると説明した。

元号の典拠(てんきょ:確かな根拠)はこれまでほとんどが中国の古典によるものだったが、今回初めて日本の古典から引用された。

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「万葉集」梅の花の歌、三十二首の序文について

梅花(うめのはな)の歌三十二首并せて序

天平二年正月十三日に、師の老の宅に萃まりて、宴会を申く。時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。加之、曙の嶺に雲移り、松は羅を掛けて蓋を傾け、夕の岫に霧結び、鳥はうすものに封めらえて林に迷ふ。庭には新蝶舞ひ、空には故雁帰る。ここに天を蓋とし、地を座とし、膝を促け觴を飛ばす。言を一室の裏に忘れ、衿を煙霞の外に開く。淡然と自ら放にし、快然と自ら足る。若し翰苑にあらずは、何を以ちてか情を述べむ。詩に落梅の篇を紀す。古と今とそれ何そ異ならむ。宜しく園の梅を賦して聊かに短詠を成すべし。
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天平二年正月十三日に、(そち)の(おきな)の(いへ)に(あつ)まりて、宴会を(ひら)く。時に、(しよしゆん)の(れいげつ)にして、気(よ)く風(やはら)ぎ、梅は(きやうぜん)の(こ)を(ひら)き、(らん)は(はいご)の(かう)を(かをら)す。(しかのみにあらず)、(あけぼの)の(みね)に雲移り、松は(うすもの)を掛けて(きにがさ)を傾け、夕の(くき)に(きり)結び、鳥はうすものに(こ)めらえて林に(まと)ふ。庭には(しんてふ)舞ひ、空には(こがん)帰る。ここに天を(きにがさ)とし、地を(しきゐ)とし、膝を(ちかづ)け(かづき)を飛ばす。(こと)を一室の(うら)に忘れ、(えり)を(えんか)の外に開く。(たんぜん)と(みづか)ら(ひしきまま)にし、快然と(みづか)ら足る。若し(かんゑん)にあらずは、何を(も)ちてか(こころ)を(の)べむ。詩に落梅の(へん)を(しる)す。(いにしへ)と(いま)とそれ何そ(こと)ならむ。(よろ)しく園の梅を(ふ)して(いささ)かに(たんえい)を成すべし。
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天平二年正月十三日に、師(そち)老(おきな)宅(いへ)萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)く。時に、初春(しよしゆん)令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)粉(こ)披(ひら)き、蘭(らん)珮後(はいご)香(かう)薫(かをら)す。加之(しかのみにあらず)曙(あけぼの)嶺(みね)に雲移り、松は羅(うすもの)を掛けて蓋(きにがさ)を傾け、夕の岫(くき)霧(きり)結び、鳥はうすものに封(こ)めらえて林に迷(まと)ふ。庭には新蝶(しんてふ)舞ひ、空には故雁(こがん)帰る。ここに天を蓋(きにがさ)とし、地を座(しきゐ)とし、膝を促(ちかづ)觴(かづき)を飛ばす。言(こと)を一室の裏(うら)に忘れ、衿(えり)煙霞(えんか)の外に開く。淡然(たんぜん)自(みづか)放(ひしきまま)にし、快然と自(みづか)ら足る。若し翰苑(かんゑん)にあらずは、何を以(も)ちてか情(こころ)述(の)べむ。詩に落梅の篇(へん)紀(しる)す。古(いにしへ)と今(いま)とそれ何そ異(こと)ならむ。宜(よろ)しく園の梅を賦(ふ)して聊(いささ)かに短詠(たんえい)を成すべし。
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天平二年正月十三日に、大宰師(だざいのそち)の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅に集まりて、宴会を開く。時に、初春の好き月にして、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っている。のみにあらず、明け方の嶺には雲が移り動き、松は薄絹のような雲を掛けてきぬがさを傾け、山のくぼみには霧がわだかまり、鳥は薄霧に封じ込められて林に迷っている。庭には蝶が舞ひ、空には年を越した雁が帰ろうと飛んでいる。ここに天をきぬがさとし、地を座として、膝を近づけ酒を交わす。人々は言葉を一室の裏に忘れ、胸襟を煙霞の外に開きあっている。淡然と自らの心のままに振る舞い、快くそれぞれがら満ち足りている。これを文筆にするのでなければ、どのようにして心を表現しよう。中国にも多くの落梅の詩がある。いにしへと現在と何の違いがあろう。よろしく園の梅を詠んでいささの短詠を作ろうではないか。

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大宰師(だざいのそち)
大宰府の長官。九州における外交・防衛の責任者。9世紀以降は親王の任官で、大宰府に赴任しないことが慣例となり、実権は次官の大宰権帥(だざいのごんのそち)及び大宰大弐(だざいのだいに)に移った。
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